イタリアのタバコ事情

イタリアの生活、イタリア人

室内では吸えない

もうかれこれ10年以上まえからでしょうか、イタリアでは、ほとんどの店内、室内では煙草は吸えなくなりました。テラス席がない飲食店では、食事中に席を立って外に煙草を吸いに行く人をよく見ます。

外で仲良く

室内で喫煙できた方が場の雰囲気も壊さずにその場に居れるのでよいでしょう。

しかし、この煙草を室内で吸えないことが同僚やあまり仲の良くなかった人と良い関係を作る機会となったり、思いもよらない人からいい情報を仕入れる機会となっているのです。長い夕食の合間や、仕事の休憩時間に煙草を吸うために席を外す数名、外に行くメンバーの中でなんかいい一体感?仲間感?が生まれ楽しく会話してるのを見かけ、吸わない者はなんだか仲間外れにされた気持ちになったりもします。日本では「喫煙所」がありますが、イタリアでは、ほとんどの場合、外、屋外で皆さん吸ってます。

4人に一人が吸う

イタリア保健省の報告を見ると「2021年には14歳以上の人口に占める喫煙者の数は1,000万人弱。25~44歳の年齢層の喫煙者が多い(約4人に1人)」(イタリア保健省 喫煙-タバコ-電子タバコのサイトより引用)なっています(14歳からの調査というところにびっくり)。赤ワインを飲んだ後の煙草、そこからのエスプレッソが心地よいそうです。

Tabagismo
Fumo - Prodotti del tabacco - Sigarette elettroniche - Tabagismo

値段

値段は、年々上昇しており、一箱、5ユーロから6ユーロ(730円-870円)。日本は、500円から600円ですから、円相場の関係で円換算は高くなりますが、そんなに違いはありません。

購入場所

煙草が購入できる場所は、TABACCHIと呼ばれる、煙草をはじめ、切手、収入印紙、ロッテリア(くじ)などを売っているお店、煙草を販売する免許を持つバールなどで購入できます。しかしこれらの店は、だいたい7時ごろには閉まり、日曜祝日は、閉店なので、「あっ煙草ない!」と夜、気づいたり、日曜の午後に「あー今日は気分がいいな、久しぶりに一服したいな・・・」なんてときには困ります。

そんなときにスモーカーたちが向かうのが煙草の自動販売機。健康保険証の読み取り機があり、18歳以下は購入できないようになっています。日本では、タスポという煙草購入のための身分証明証があるようですが、イタリアでは、煙草のための証明証は存在せず、健康保険証をかざせば購入できるシステムになっています。

あっ火がつけられない・・・

煙草は買ったけど、ライターがない・・・。日本ではコンビニに行けば売っていますが、ライターを売っているお店もイタリアでは日曜、祝日はお休み・・・。そんなときはどうする?道行く人に「ライター持ってる?」と聞くのです。女性の喫煙率の方が少ないからか、あまり女性には聞かれませんが、男性間ではよく見られる光景です。

イタリア社会もストレスが多い

陽気で心配事などなさそうなイタリア人も多くのストレスを抱えています。

コロナで大きな打撃を受けたのちのこのウクライナ情勢・・・この冬は、電気代、ガス代の値上がりで多くの人が苦しむでしょう。

煙草が体に悪いのは周知のこと、しかし先が見えない社会の中で生きる一つの息抜きとして限度を守り、喫煙をうまく活かせれば、精神健康にはいいのかなとイタリアの喫煙者を見て思います。